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日本デジタルマネー協会 / ビットコイン / Bitcoin

ビットコインのスケーラビリティと持続性に関するメモ

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かわんごがビットコインを批判したのが、2014年5月30日。http://ch.nicovideo.jp/kawango/blomaga/ar542568

2015年3月31日、Zaif朝山氏の寄稿に対して、かわんごが再批判後、twitter上で議論となった。http://jp.techcrunch.com/2015/03/31/bitcoin-essay/

twitter上での公開議論という事で多少の注目を集めた模様。その議論をまとめたのが、以下。http://togetter.com/li/803191

これを機会に、ビットコインのスケーラビリティと持続性を調べたので、簡単なメモを共有する。

サトシナカモトの論文と理論は見事だが、コードの出来はイマイチだったらしい。初期のサトシの実験を支えたのは、Hal Finneyやサイファーパンクの人達。Gavin Andresenは多少遅れて参加したが、コードの生産性が優れていたので、サトシの信頼を得て、bitcoind開発の中心人物となる。マイクハーンはJava版のbitcoinjを開発する。Gavin Andresenの周囲にコア開発者が5名いる。http://www.economist.com/news/obituary/21615469-harold-finney-futurist-and-cypherpunk-died-august-28th-aged-58-hal-finney

まず、サトシの議論。https://bitcointalk.org/index.php?topic=532.msg6306&hc_location=ufi#msg6306

以下のGavinの記事で大体の事情がわかる。https://blog.bitcoinfoundation.org/a-scalability-roadmap/

記憶容量について、現在のブロックチェーンは30GB未満。ラップトップPCでも扱える容量で問題なし。ただし、同期に数日を要するのはイマイチ。

処理能力について、ビットコインの7処理/秒に対して、Visaは2,000処理/秒。ピークは更に高いので、もしVisa並の負荷が掛かると、ブロックチェーンに格納されない処理が多数となる。ただし、現在から数年の範囲に限れば、日常使用は法定通貨で十分だし、リップルやOpen Transactionsを使えば負荷は減る。将来に関する潜在的な問題として認識されていて、解決の見通しもありそうなのは、上記Gavinのリンクから伺える。

帯域は増え続けていて、取扱データが、動画ではなく、数値なので、問題ないだろう。

リレーノードの数。これは増やす努力が必要らしい。リレーノードはフルチェーンを持つ必要ないが、多少の報酬が貰えるとインセンティブになる。

マイナーの集中化。これは問題。プールへの集中化で51%を超えた事もあったし、今後、最先端の専門チップを少数が牛耳ると処理ノードが分散しない。潜在的問題として議論は続くでしょう。

共有地の悲劇。報酬分のビットコインは4年に1度、半減するため、やがて報酬分の新規生成ビットコインが無くなり、手数料分ビットコインが報酬のメインとなる。この時、多くのマイナーが採掘を止めてしまうと、外部からの攻撃に弱くなる。これは潜在的な問題だが、ユーザーと取引量が増えて、手数料分の報酬ビットコインが増えれば解決する。

初期ユーザーにビットコインが集中し過ぎている問題。これは解決困難。初期ユーザーが新規開発案件にビットコイン投資すると多少解決するか。この問題解決をインセンティブに新規アルトコインを開発している開発者もいる。

2015年の動画。サトシはスケールを確信していたが、Gavinはもっと自信がある。当時発見されていなかった理論と技術があるため。https://www.youtube.com/watch?v=rQ3e1Pzu7iI#t=28m25s

Gavin@MIT。コア開発はコンサバに運用。バージョンアップに数ヶ月〜1年を掛ける。https://www.youtube.com/watch?v=96ULlHhia_Q#t=1h10m

Peter Todd。コア開発の一人。https://www.youtube.com/watch?v=4d3LA8KpdMQ

Peter Todd。https://www.youtube.com/watch?v=Q8hTbfKAhfE

Microsoft出身のヘブライ大学教授。https://www.youtube.com/watch?v=iSq-emtyx5g#t=6m

論文。https://eprint.iacr.org/2013/881.pdf?hc_location=ufi

スタンフォードビジネススクール経済学教授。みんなが使えば価値はあるし、誰も使わなければ価値はない。Internet of Moneyという事で、シリコンバレーでも特にIQが高く、意欲ある人材が集まる知的に興奮的な分野との事。https://www.youtube.com/watch?v=pP4xasF2QEE#t=18m

ブロックチェーンの最初のアプリケーションがビットコインで、ビザンチン将軍問題を解決した(利己的な各ノードに難しい計算をさせる事で、合意形成させる)ため、多くのコンピューター科学者が興奮した。そのビットコインは現在もグローバルに運用と開発が続き、分散されたブロックチェーンは唯一つのデータを維持している。それは将来に渡って、維持される可能性あるが、破綻するリスクもゼロではない。Proof of Workを超えようとして、Delegated Proof of Stake等が発明されて、運用もされている。ビットコインは十分良い技術として、Internet of Moneyのナンバー1を維持する可能性あるが、より優れた暗号通貨に代替される可能性もある。4/16/2015時点での時価総額$3.18Bはグローバル金融の世界ではゴミの様な値であり、暗号通貨の未来は予断を許さない。まだ始まったばかりの分野であり、最初の大衆性を得るサービスが何か、日々ビットコイナー達は議論している。

以上

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